平成19年度の発掘調査 1. 土佐国道事務所関係 (1) 高知南国道路 西野々遺跡 (2) 南国安芸道路 徳王子広本遺跡 (3) 高知西バイパス 城ヶ谷山遺跡 (4) 四国横断自動車道関係 坪内遺跡(整理作業) 西山城跡(整理作業) 2. 高知河川国道事務所事業 (1) 波介川河口導流事業 上ノ村遺跡 3. 中村河川国道事務所事業 (1) 中村宿毛道路 坂本遺跡(整理作業)
城ヶ谷山遺跡
城ヶ谷山遺跡は,吾川郡いの町鎌田地区に所在し,仁淀川右岸に張り出す丘陵の下に立地します。平成18年度に高知西バイパス建設に伴う試掘調査で発見された遺跡であり,今年度はバイパス橋梁設置箇所についての本調査が4月から開始されています。 発掘調査では平安時代後期(10世紀後半〜12世紀前半)の溝やピットから黒色土器,緑釉陶器などが出土しました。また,上層では,13〜14世紀代にかけてのピット,炉跡など生活の跡がみつかり,煮炊きに使う鍋や瓦器椀など当時の他地域とのつながりを知る上で貴重な遺物も出土しています。発掘調査は今年の8月頃にかけて行われますが,仁淀川流域におけるいの町の遺跡の様相を解明する手掛かりになるのではないかと思われます。(07.06.06)
現在,バイパスの橋梁工事が予定されている部分についての調査が進められています。丘陵の裾に遺跡が立地しており,土層の堆積ごとに掘り下げを行うと建物の柱の跡や,溝,炉跡などが見つかりました。これらの遺構は出土した遺物から下層が平安時代後期頃,上層が南北朝期頃のものであることが明らかとなりました。写真は下層の遺構を確認している調査風景です。また,近世期の野中兼山による鎌田堰の改修及び鎌田用水建設の頃の遺物も確認されており,仁淀川右岸の古代から近世にかけての遺跡の変遷が明らかになりつつあります。(07.07.02)
8月に入って蝉の声が耳に痛いほど聞こえて来るようになりました。午前中は涼しい風が吹き比較的作業がし易い状態ですが,午後は気温が上昇しとても暑い日々が続いております。 現在は遺跡の東側,U区の調査を行っています。遺物包含層であるV層からは須恵器や土師器・備前焼・青磁・鉄滓などが出土しています。U区のV層はT区に比べて,煮沸具や鉄滓が多く出土していますが,炉跡などは検出されていません。
現在はW層上面の遺構を検出している途中ですが,W層からはV層では出土しなかった土錘が数点出ています。V層・W層ともにピットが検出されていますが,建物跡等の復元には至っていません。U区の特筆するべき点は,近世の土坑が約5基集中して見つかったことです。 8月は後半から行う,周辺の試掘調査により城ヶ谷山遺跡と関連のある遺跡が確認されることも予想されます。 (07.08.01)
城ヶ谷山遺跡は,8月末に発掘調査を終えました。周辺の住民の皆様や,作業員の方々,バイパス工事の関係者の方々など,多くの皆様のご理解とご協力に感謝いたします。 II区の調査の最終段階では,弥生終末〜古墳時代の土器がまとまって出土しました。仁淀川に面したこの地域で,やはり古くから人々の営みがあったことを裏付けています。残念ながらこの時代の遺構は検出されませんでしたが,城ヶ谷山遺跡のすぐ近くで,住居などを構え,生活していたものと思われます。 城ヶ谷山遺跡以外にも,仁淀川流域には多くの遺跡があり,まだ調査の行われていない場所も多くおります。今後,調査が行われていくなかで,仁淀川の果たした役割とともに,この地域の歴史的重要性の理解も進んでいくことでしょう。 (07.10.02)