平成21年度計画の発掘調査

いずれも国土交通省関係です
1. 土佐国道事務所関係
  (1) 高知南国道路
    関遺跡
  (2) 南国安芸道路
    徳王子前島遺跡
    東野土居遺跡
  (3) 高知西バイパス
    天神溝田遺跡
2. 高知河川国道事務所事業
  (1) 波介川河口導流事業
    上ノ村遺跡
3. 高知地方検察庁事業
    西弘小路遺跡

過去のデータ・・・・・
平成20年度・・・・・・・・・・・・・・・・
1. 土佐国道事務所関係

  (1) 高知南国道路

    関遺跡
    向山戦争遺跡遺跡
  (2) 南国安芸道路
    徳王子大崎遺跡
    徳王子前島遺跡
  (3) 高知西バイパス
    鎌田遺跡・貢山城跡
    天神遺跡
2. 高知河川国道事務所事業
  (1) 波介川河口導流事業
    上ノ村遺跡

平成19年度・・・・・・・・・・・・・・・・
1. 土佐国道事務所関係
  (1) 高知南国道路
    西野々遺跡
  (2) 南国安芸道路
    徳王子広本遺跡
  (3) 高知西バイパス
    城ヶ谷山遺跡
2. 高知河川国道事務所事業
  (1) 波介川河口導流事業
    上ノ村遺跡

 

徳王子前島遺跡

 4月下旬より香南市に所在する徳王子前島遺跡を調査しています。調査風景本年度の調査区は前年度の調査区の東隣に当たります。前年度の調査では,古代から中世にかけて利用された自然流路を確認し,土器と共に多くの木製品が出土しました。木製品の中には,古代の斎串(いぐし)や人形(ひとがた)など祭祀的要素の強い遺物が多く見つかりました。
 遺物出土状態今回も同時期の遺構・遺物の出土を想定して調査を行っています。現在は,長さ約50m,幅約1.5mの自然流路を検出中です。遺物が少なく,時代ははっきりしませんが,古代から中世頃と思われます。
 また,中世から近世にかけての遺物包含層からは柿経(こけらきょう)と呼ばれる経文の一文を書いた木製品も出土しています。(2009.6.10)

 現在は,自然流路(SR−1)の掘削作業を行っており,作業風景南半部までの調査が終了しました。中世の遺物が中心ですが,古代の瓦も出土しています。古代瓦の出土はこの付近に寺院等の瓦葺きの建物があったことを示唆するものです。
 また,調査区は湧水が非常に多く,排水作業を円滑に行うために調査区内にトレンチを掘削し,現場を升目状にしています。トレンチの断面を観察することで遺構の有無も確認できます。  次の写真は,先月お伝えしました柿経(こけらきょう)の赤外線写真です。?経表面には三文字が残存しており,上から梵字,「南」と判読できましたが,最後の文字は判読出来ませんでした。裏面にも墨が残存していますが,判読は出来ませんでした。柿経とは,細く削った板材に経文を写したものです。頂部を山形に刻み,短冊のような形をしています。何本かを束にして経文の一部を写し,主に供養のために寺院や経塚に納めたものです。

(2009.6.30)

 徳王子前島遺跡の調査は,周辺住民の方々のご理解とご協力により7月下旬に終了しました。
 6月末までに自然流路(SR-1)毬の南半分の調査が終了し,7月から北半分の調査に着手しました。調査の結果,住居跡や水田跡の検出はできませんでしたが,櫛や古代の軒丸瓦,土師質土器の椀などが出土しました。また,毬杖(ぎっちょう=徒歩で毬を打ち合う遊戯)の毬ではないかとみられる直径約5cmの球形を呈する木製品が出土しました。毬杖の毬であれば,県内初出土となります。
 これらのことから周辺に集落跡が存在することがほぼ確定できました。今後行われる整理作業や自然科学分析により,この地域の様相がさらに明らかになるものと思われます。 (2009.7.31)