平成19年度の発掘調査

1. 県土木事務所事務所関係
  (1) 高知東インター線
   介良野遺跡(整理作業)
  (2) 国道195号改良
   士島田遺跡
   ミトロ遺跡(整理作業)
  (3) 都市計画道路高知山田線
   ひびのきサウジ遺跡
   伏原遺跡II
2. 高知県教育委員会事業
  (1) 山田養護学校改築
    原遺跡
  (2) 高知城跡三ノ丸石垣改修
    高知城跡

 

士島田遺跡

 士島田遺跡は,南国市小籠に所在する弥生・古代〜中世・近世の遺跡で,国道195号道路改築工事(あけぼの道路建設)に伴う発掘調査が進められています。今年度の調査は,「土佐希望の家」の北側に位置する道路建設予定地約5,000平方メートルが対象で,6月5日から遺構等の検出作業を行っています。
 これまでの調査で,古代〜中世のピットや溝跡と近世の屋敷跡・ハンダ土坑・倒木痕跡などが検出され,長岡台地南西端における集落の変遷や当時の景観等が復元されることが期待されます。(07.06.28)

 6月〜7月は,今年度の調査対象地の東側部分に該当する調査区(III区と呼んでいます。)で調査が行われました。7月の前半は,天候不順のおかげで作業日にあまり恵まれなかったのが残念でしたが,梅雨明け以降は,南から時より寄せる涼風に一息つきながら,猛暑に負けずに作業が進行しています。遺構完掘状態
 調査では,江戸時代後半頃の建物跡や溝跡,柱穴,土坑,井戸跡などが検出されており,近世農村の屋敷跡の一画であったことが窺われます。建物跡の周辺からは円形で素掘りのものやハンダを底まで充填した土坑や遺構の形状から桶を置いたとみられる土坑などが検出されており,何らかの作業場であったことが推測されます。地元の方から,調査をしている場所は「蔵の前」と呼ばれていたという興味深い話しもありました。
(07.08.07)


 これまでの調査では,南北市道(県道249号後免中島高知線〜西祈年橋)の東側に位置する調査対象地(III区)から,江戸時代後半頃の建物跡や溝跡・柱穴・ハンダ土坑・井戸跡などが検出され,近世農村の屋敷跡の一画であったことが確認されています。
 さて調査は,南北市道の西側部分に該当する調査区(I・II区)へと進み, 現在,遺構等の検出作業が行われています。この調査区では奈良時代後半〜末頃の掘立柱建物跡7棟・溝跡2条・竪穴遺構2基・畝状遺構などが検出され,古代の建物跡群が存在していたことが明らかとなりました。
 方形の掘形をもつ建物跡は,整然と並んでおり,配置に一定の企画性があったことが窺われます。また,雨落ち溝とみられる細長い溝跡を有した建物跡なども検出されています。
 建物跡奈良時代の建物跡群が検出されたのは注目されることで,周辺地域の古代史を解明する上で一石を投じることになりました。国府に仕えた役人の居住地であったのか,または在地豪族の屋敷跡か,役所等などの一部なのか, 建物跡群が提示する埋もれた歴史の実像には,大変興味深いものがあります。
 今後の調査の進展が期待されます。なお,調査成果については,10月21日(日)に現地説明会を開催し,公開する予定です。ご期待下さい。
(07.09.28)