平成21年度計画の発掘調査

1. 県土木事務所事務所関係
 (1) 国道195号改築
  士島田遺跡(発掘調査)
 (2) 都市計画道路高知山田線
  ひびのきサウジ遺跡(整理作業)
  伏原遺跡II(整理作業)
  伏原遺跡I(整理作業)
 (3)県道奥西川岸本線改築
  クノ丸遺跡(整理作業)
2. 高知県教育委員会事業
 (1) 山田養護学校改築
   原遺跡(発掘調査・整理作業)
 (2) 高知城跡三ノ丸石垣改修
   高知城跡(整理作業)

過去のデータ・・・・・
平成20年度・・・・・・・・・・・・・・・・
高知県土木事務所事務所関係
 
(1) 国道195号改良
   士島田遺跡
 (2) 都市計画道路高知山田線
   伏原遺跡II
 
(3)県道奥西川岸本線改築
   クノ丸遺跡
過去のデータ
・・・・・
平成19年度・・・・・・・・・・・・・・・・
高知県土木事務所事務所関係
  (2) 国道195号改良
   士島田遺跡
  (3) 都市計画道路高知山田線
   ひびのきサウジ遺跡
   伏原遺跡I

 

士島田遺跡

 士島田遺跡は,国道195号道路改築事業に伴う発掘調査で,平成19・20年度の2年間にわたり調査をしてきましたが,本年度の調査をもって終了する予定です。壷棺墓 これまでの調査では,弥生時代後期末・古墳時代の竪穴住居跡,古代掘立柱建物跡,壷棺19基,古代の道路状遺構の溝1条,近世の遺構等が検出されています。とりわけ弥生時代後期末の竪穴住居跡を主とした集落跡の確認は,当時の長岡台地を考察するうえで貴重な成果といえます。
 本年度の調査は,5月1日から開始し,10月末をめどに終了する計画です。現場作業は5月7日から始めましたが,遺構検出作業の後,弥生時代後期末・古墳時代の住居跡を中心に掘削作業を行っています。これらの住居跡から弥生土器,須恵器,土錘,紡錘車等の遺物が出土しています。
 今後,発掘調査が順調に進めば,8月に現地説明会を実施したいと考えています。 (5月13日)


 現在,集落跡の中心とみられるVIIIA区を調査しており,これまでに弥生時代後期及び古墳時代の竪穴住居(10軒以上),性格不明小竪穴群(9基),古代掘立柱建物(1棟),その他多数の溝・土坑・柱穴等の遺構を検出しました。
 このうち弥生時代後期の大型竪穴住居1軒(直径8m超)は焼失したもので,住居内のベッド部分以外を焼土が覆い,住居跡炭化材も出土しています。古墳時代の竪穴住居は,方形で竃をもつものを検出しました。性格不明小竪穴群は,所々に須恵器が出土しましたが,遺構を特徴付けるようなものは出土していません。須恵器は長頸壷,短頸壷,高台付椀,小壷,杯が出土しています。
 遺物は壷棺2,長頸壷(直径15p),把手付椀(須恵器),土錘,紡錘車,ミニチュア土器,石器(石包丁,叩石,砥石,石錘など),鉄製品等が出土しています。
 今回出土した壷棺は2基ですが,うち1基は大型で直径が約70pあります。壷棺は壷形土器を埋葬用棺に転用したもので,遺骸,遺骨を壷の中におさめた例は,縄文時代以降,弥生・古墳時代にみられます。士島田遺跡の壷棺は弥生時代後期のもので,乳児と幼児の埋葬に供せられたものと考えられます。
 なお,壷棺については,昨年度の調査も含め士島田遺跡で21基出土しており,県下最大です。(6月18日)

 

 現説8月2日に現地説明会を実施しました。多くの方々に参加していただき充実した説明会となりました。
 今回は,弥生時代の竪穴の復元住居の公開,弥生服の装着,クイズ,火起こしなど体験型の催しを企画しました。これには子どもたちも50名ほど参加し,クイズに正解してガラス玉を獲得したり,親子で火起こしにチャレンジして汗を流したりしていました。参加者のみなさんには,炎天下にもかかわらず熱心に見学していただきました。現説
 発掘調査につきましては,[A区西端の遺構を検出し,手掘りによる確認作業を行っています。現時点では,弥生時代の住居跡,古墳時代の竃付住居跡(7軒),その他,竃の付かない古墳時代の住居跡,古代の掘立柱建物跡,小竪穴,多数の土坑・溝跡・柱穴などを検出しています。
 遺物は,弥生時代中期末から後期前半のものと考えられる石斧と携帯用砥石が近接して出土しました。弥生土器,須恵器,土師器等も多数出土しています。
(8月10日)


 9月中旬から,VIII-A区の下層の住居の調査を始めました。竪穴住居を14軒検出し,弥生時代後期後半と考えられる円形のものを2軒,古墳時代初頭の方形住居を3軒,カマドを有する古墳時代後期後半の住居を9軒確認しました。作業風景
 古墳時代後期の住居はいくつかの切り合い関係にあり,北方向にカマドをもつものが最も古く,それを壊して西方向のものが造られています。北方向同士でも切り合い関係があり,カマド付の住居だけでも最低3時期の変遷が考えられます。高知県下ではカマド付の住居は59軒見つかっていますが,内半数近くの29軒が士島田遺跡で見つかりました。住居内の遺物は少なく,主に須恵器が出土しています。
 また,土坑をいくつか確認していますが,このうち2基から弥生時代後期末の壺などの一括資料が多数出土しました。この他,10世紀代の深さ約70p,一辺1.5m程の方形の土坑が見つかっています。推測の域を出ませんが,天井部をもつ地下式坑ではないかと考えています。  (10月13日)

 

 11月中旬に調査が終わったVIIIA区の下層については,竪穴住居跡15軒,小竪穴2基を確認しました。竪穴住居跡のうちわけは,弥生時代後期前半の円形住居跡1軒,古墳時代初頭の方形住居跡4軒,多角形住居跡古墳時代終末のカマド付住居跡8軒を確認しています。カマド付住居跡は県内最多となり,VIIIB区を含めると総数で31軒です。小竪穴2基はいずれも弥生時代後期後半のものです。  現在は,昨年度に掘り残したVIIIB区東側部の住居跡を中心に調査しています。弥生時代後期末の円形竪穴住居跡2軒,古墳時代初頭の方形竪穴住居跡3軒,古墳時代終末の方形竪穴住居跡3軒(カマド付2軒)などを検出して作業をしています。士島田遺跡の発掘調査については,今月末に終了する予定です。  (12月2日)