マルク・シャガール展 《ダフニスとクロエ》前期
会期: 平成22年4月6日(火)~5月23日(日)
会場: 第1展示室
観覧料:一般350(280)円・大学生250(200)円 高校生以下無料
* ( )内は20名以上の団体料金
* 年間観覧券(2500円)およびKoMPal会員(5000円)は無料
*身体障害者手帳、療育手帳、障害者手帳、戦傷病者手帳および被爆者健康手帳所持者とその介護者(1名)、高知県及び高知市長寿手帳所持者は無料
2世紀-3世紀頃のギリシアの詩人ロンゴス(生没年不詳)により書かれた恋愛文学『ダフニスとクロエ』は、モーリス・ラヴェルのバレエ音楽をはじめ、三島由紀夫の小説『潮騒』に影響を与えるなど、古今東西のさまざまなアーティストの創造の源泉ともなっています。レスボス島出身の美術出版者テリアドに依頼を受けたシャガールは、この版画制作のためにギリシアを取材して廻りました。その時滞在したアテネ、ボロス島、オリンピアなどの風景や地中海の光はシャガールに鮮烈な印象を残しました。20色以上の色を用いて表現した物語には、色彩の魔術師と称されるシャガールの芸術が凝縮されています。 今回はシャガールの版画の代表作にして色彩リトグラフの最高傑作ともいえる《ダフニスとクロエ》、全42点を、前・後期に分けて展示いたします。
油彩画
| No. | 作 品 名 | 英 名 | 制作年 | 寸法(cm) |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 村の祭り | The Kermes | 1908 | 68.0×95.0 |
| 2 | 空を駆けるロバ | The flying Donkey | 1910 | 55.0×46.4 |
| 3 | 路上の花束 | Flowers on the Street | 1935 | 90.2×116.7 |
| 4 | 花嫁の花束 | The Bouquet of the Bride | 1934-46 | 81.5×65.5 |
| 5 | オルジュヴァルの夜 | The Night of Orgeval | 1949 | 106.0×64.8 |
版画集《ダフニスとクロエ》 から
1957-60年 リトグラフ
| № | 作 品 名 | 英 名 | 寸法(cm) |
| 1 | 扉 | Frontispiece | 42.0×31.8 |
| 2 | ラモオンによるダフニスの発見 | Lamon discovers Daphnis | 42.0×32.0 |
| 3 | ドリュアスによるクロエの発見 | Dryas discovers Chloe | 42.0×32.0 |
| 4 | ラモオンとドリュアスの夢 | Lamon's and Dryas's Dream | 42.0×32.0 |
| 5 | 小牧場の春 | Springtime in the Meadow | 42.0×64.0 |
| 6 | 狼を捕える罠 | The Wolf Pit | 42.0×32.0 |
| 7 | 泉のほとりのダフニスとクロエ | Daphnis and Chloe beside the Fountain | 42.0×32.0 |
| 8 | クロエの判断 | Chloe's Judgement | 42.0×64.0 |
| 9 | クロエの接吻 | Chloe's Kiss | 42.0×32.0 |
| 10 | ドルコオンの策略 | Dorcon's Strategy | 42.0×32.0 |
| 11 | 真昼、夏 | Noon, in Summer | 42.0×32.0 |
| 12 | つばめ | The Little Swallow | 42.0×32.0 |
| 13 | ドルコオンの死 | Death of Dorcon | 42.0×64.0 |
| 14 | ニンフたちの洞穴 | The Nymph's Cave | 42.0×64.0 |
| 15 | 葡萄の収穫 | The Wine Harvest | 42.0×32.0 |
| 16 | フィレータースの果樹園 | Philetas's Orchard | 42.0×64.0 |
| 17 | フィレータースの教え | Philetas's Lesson | 42.0×32.0 |
| 18 | メテュムナの若者たち | The Young Methymneans | 42.0×32.0 |
| 19 | クロエの誘拐 | Chloe is Carried Off by the Methymneans | 42.0×64.0 |
| 20 | ダフニスの夢とニンフたち | Daphnis' Dream and the Nymphs | 42.0×32.0 |
| 21 | ブリュアクシス将軍の夢 | Captain Bryaxis's Dream | 42.0×64.0 |
※今回出品のシャガールの単品の版画作品は故・大川功氏のご寄贈によるものです。
マルク・シャガール
Marc Chagall (1887-1985)
シャガールはロシア、現在のベラルーシ共和国にある寒村ヴィテブスクの貧しいユダヤ人の家庭に生まれ、帝都ペテルブルグの美術学校で学びました。
1910年から14年までパリに住み、詩人サンドラール、アポリネールらと親交を結びます。キュビスムの空間的効果、ドローネーらの鮮烈な色彩表現に影響を受けましたが、子供の頃の記憶からイメージを引き出し、詩的で豊穣な、シャガールならではの幻想的な様式を展開しました。
1914年、ベルリンの表現主義の牙城シュトゥルム画廊で個展を開催、その後も同画廊と関係を保ち、ドイツ表現主義の運動に影響を与えました。二度にわたる世界大戦の戦火や、ヨーロッパ中を踏みにじったナチ政権によるユダヤ民族迫害、アメリカへの亡命、制作の霊感の源であった愛妻ベラの死去など、さまざまな苦難を乗り越えて画業を深め、世界中の人々に愛と希望を与え続けました。
シャガールは1950年から南仏のヴァンスに定住しました。晩年にいたるまで旺盛な制作意欲を発揮しましたが、1985年に惜しまれつつ死去しました。享年97歳でした。
特別出品: シャガールと同時代の画家たち
エドヴァルド・ムンク
《8点組銅版画集「マイアー・グレーフェ・ポートフォリオ」》
| № | 作品名 | 制作年 | 寸法(cm) | 技法 |
| 1 | 窓辺の少女 Girl at the Window |
1894 | 21.8×15.9 | ドライポイント、エッチング |
| 2 | 病める少女 The Sick Girl |
1894 | 28.3×29.3 | ドライポイント、ルーレット |
| 3 | クリスティアニア・ボヘームⅠ Christiania-Boheme 1 |
1895 | 21.7×29.6 | エッチング、ドライポイント |
| 4 | 差し向かい(下宿での逢い引き) Tete-a-Tete |
1895 | 22.0×32.6 | エッチング、アクアチント |
| 5 | 月光 Moonshine |
1895 | 35.8×27.0 | エッチング、アクアチント |
| 6 | その翌朝 The Day After |
1895 | 21.0×29.2 | ドライポイント、アクアチント |
| 7 | 二人: 孤独な人たち Two People: The Lonely Ones |
1895 | 16.9×22.6 | ドライポイント |
| 8 | アッシュ博士の肖像 Portrait of Dr. Asch |
1895 | 26.4×18.8 | ドライポイント |
エドヴァルド・ムンク
Edvard Munch (1863-1944)
ムンクはノルウェー、 レーテンに生まれました。オスロの美術学校に学び、クローグらの急進的なグループに影響されました。初期の《病める子》(1885-86)に現れた病と死の凝視がその芸術の基調を成しています。1889年パリに留学。ゴーギャン、ゴッホ、ロートレックらに共感し、1892年ベルリン美術家協会の招待による個展で物議を醸しました。ベルリンでストリンドベリらの〈パン〉のグループに加わり、《叫び》(1893)などにより近代末期の退廃、不安、孤独と憂愁の諸相を鋭く描出しました。1894年に版画をはじめ、絵画と同様のテーマを繰り返し扱い、傑作を遺しています。第二次大戦末期、ナチ占領下のオスロで孤絶のうちに歿しました。
8点組銅版画集「マイアー・グレーフェ・ポートフォリオ」
”The Maier-Graefe Portfolio”
1895年出版 エディション65のうちの1セット
ムンクは版画の制作を1894年、31才のときに始めました。この頃ムンクは、ポケットに小さな銅板をしのばせておき、道といわずカフェといわず、まるでスケッチブックでも扱うように銅板上に描いたといいます。ムンクは1895年に文芸雑誌『パン』の出版者であった文芸評論家ユリウス・マイアー=グレーフェに出会い、それは同年6月にムンクの最初でもっとも興味深い版画集の出版に結びつきました。そこには死、病気、孤独といったムンクの生涯を貫く主題が現れています。
KoMPal会員(年会費5,000円)、年間観覧券所持者(2,500円)は、無料でご覧いただけます。













