マルク・シャガール展 《ダフニスとクロエ》後期
会期: 平成22年5月25日(火)~7月4日(日)
会場: 第1展示室
観覧料:一般350(280)円・大学生250(200)円 高校生以下無料
* ( )内は20名以上の団体料金
* 年間観覧券(2500円)およびKoMPal会員(5000円)は無料
*身体障害者手帳、療育手帳、障害者手帳、戦傷病者手帳および被爆者健康手帳所持者とその介護者(1名)、高知県及び高知市長寿手帳所持者は無料
2世紀-3世紀頃のギリシアの詩人ロンゴス(生没年不詳)により書かれた恋愛文学『ダフニスとクロエ』は、モーリス・ラヴェルのバレエ音楽をはじめ、三島由紀夫の小説『潮騒』に影響を与えるなど、古今東西のさまざまなアーティストの創造の源泉ともなっています。レスボス島出身の美術出版者テリアドに依頼を受けたシャガールは、この版画制作のためにギリシアを取材して廻りました。その時滞在したアテネ、ボロス島、オリンピアなどの風景や地中海の光はシャガールに鮮烈な印象を残しました。20色以上の色を用いて表現した物語には、色彩の魔術師と称されるシャガールの芸術が凝縮されています。 今回はシャガールの版画の代表作にして色彩リトグラフの最高傑作ともいえる《ダフニスとクロエ》、全42点を、前・後期に分けて展示いたします。
油彩画
| No. | 作 品 名 | 英 名 | 制作年 | 寸法(cm) |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 村の祭り | The Kermes | 1908 | 68.0×95.0 |
| 2 | 空を駆けるロバ | The flying Donkey | 1910 | 55.0×46.4 |
| 3 | 路上の花束 | Flowers on the Street | 1935 | 90.2×116.7 |
| 4 | 花嫁の花束 | The Bouquet of the Bride | 1934-46 | 81.5×65.5 |
| 5 | オルジュヴァルの夜 | The Night of Orgeval | 1949 | 106.0×64.8 |
版画集《ダフニスとクロエ》 から
1957-60年 リトグラフ
| № | 作 品 名 | 英 名 | 寸法(cm) |
| 1 | ニンフたちへの奉納 | Sacrifices made to the Nymphs | 42.0×32.0 |
| 2 | 牧神パンの饗宴 | Pan's Banquet | 42.0×32.0 |
| 3 | シュリンクスの伝説 | The Syrinx Fable | 42.0×32.0 |
| 4 | 冬 | Winter | 42.0×32.0 |
| 5 | 小鳥狩り | The Bird Chase | 42.0×64.0 |
| 6 | ドリュアス家での食事 | The Meal at Dryas's House | 42.0×64.0 |
| 7 | 春 | Spring | 42.0×64.0 |
| 8 | ダフニスとリュカイニオン | Daphnis and Lycenion | 42.0×32.0 |
| 9 | 木精 | Echo | 42.0×64.0 |
| 10 | 夏の季節 | The Summer Season | 42.0×32.0 |
| 11 | 死せるイルカと三百エキュ | The Dead Dolphin and the 300 Drachmas | 42.0×32.0 |
| 12 | クロエ | Chloe | 42.0×32.0 |
| 13 | 果樹園 | Orchard | 42.0×64.0 |
| 14 | バッカス神の物語と神殿 | The Temple and History of Bacchus | 42.0×64.0 |
| 15 | 荒らされた花々 | The Trampled Flowers | 42.0×32.0 |
| 16 | ダフニスとグナトオン | Daphnis and Gnathon | 42.0×32.0 |
| 17 | ディオニソファネースの到来 | Arrival of Dionysophanes | 42.0×32.0 |
| 18 | クリアリスティから着物を着せられ髪を結ってもらうクロエ | Chloe is dressed and braided by Cleariste | 42.0×32.0 |
| 19 | 祭の間に娘を見出すメガクレエス | Megacles recognizes his Daughter during the Feast | 42.0×64.0 |
| 20 | ニンフたちの洞穴での婚礼の祝宴 | Wedding Feast in the Nymph's Grotto | 42.0×64.0 |
| 21 | 結婚 | The Wedding Night | 42.0×64.0 |
※今回出品のシャガールの単品の版画作品は故・大川功氏のご寄贈によるものです。
マルク・シャガール
Marc Chagall (1887-1985)
ロシア、現在のベラルーシ共和国にある寒村ヴィテブスクの貧しいユダヤ人の家庭に生まれ、帝都ペテルブルグの美術学校で学ぶ。1910年から14年までパリに住み、詩人サンドラール、アポリネールらと親交を結ぶ。キュビスムの空間的効果、ドローネーらの鮮烈な色彩表現に影響を受けたが、子供の頃の記憶からイメージを引き出し、詩的で豊穣な、シャガールならではの幻想的な様式を展開。1914年、ベルリンの表現主義の牙城シュトゥルム画廊で個展を開催、その後も同画廊と関係を保ち、ドイツ表現主義の運動に影響を与える。二度にわたる世界大戦の戦火や、ヨーロッパ中を踏みにじったナチ政権によるユダヤ民族迫害、アメリカへの亡命、制作の霊感の源であった愛妻ベラの死去など、さまざまな苦難を乗り越えて画業を深め、世界中の人々に愛と希望を与え続けた。1950年から南仏のヴァンスに定住し、晩年にいたるまで旺盛な制作意欲を発揮したが、1985年に惜しまれつつ逝去。享年97歳。
特別出品: シャガールと同時代の画家たち
アンリ・マティス
版画集《ジャズ》から
1947年 Ed. 123/250
カラー・ステンシル・プリント
Henri Matisse from the Portfolio “JAZZ” Colour Stencil
| № | 作品名 | 英語名 | 寸法(cm) |
| 1 | 道化師 | The Clown | 42.0×32.5 |
| 2 | サーカス | The Circus | 42.0×65.0 |
| 3 | 白象の悪夢 | The Nightmare of the White Elephant | 42.0×65.0 |
| 4 | 馬、女曲馬師、道化師 | Horse, Horsewoman and Clown | 42.0×65.0 |
| 5 | イカルス | Icarus | 42.0×32.5 |
| 6 | ピエロの埋葬 | The Burial of Pierrot | 42.0×65.0 |
| 7 | 空中ブランコ | The Codomas | 42.0×65.0 |
| 8 | 水槽を泳ぐ女 | The Swimmer in the Aquarium | 42.0×65.0 |
アンリ・マティス
Henri Matisse (1869-1954)
北フランスのル・カトー・カンブレジに生まれる。はじめ法律をまなぶが、91年、パリのアカデミー・ジュリアンに入学、翌年エコール・デ・ボーザールにうつって、ギュスターブ・モローのアトリエにはいる。ゴーギャンやセザンヌ、ゴッホらの影響を受け色彩だけで形や面を描写するという革命的スタイルに到達。1905年に妻をえがいた《緑の線の肖像》で、かつてない大胆な色彩のイメージを提起。色や形態の遊びに身をゆだね、画面全体のハーモニーを完成させるという見地から、リズミカルで、写実から解き放たれた形姿を描いた。1920年代以降、1年の大半を南フランスのニースですごし、地元の風物を、明るい色をつかって軽いタッチでえがいた。また晩年には、カンヌに近いヴァンスのロザリオ礼拝堂の装飾を依頼され、47年に着手して51年に完成させている。死の前の何年かは寝たきりに近い状態ながら、「切り絵」の制作にうちこみ、無造作にみえて、しかし衰えを知らぬ造形力を発揮した。ニースで死去。
版画集《ジャズ》
Jazz, 1947
若い頃から病弱だったマティスは、1941年に腸閉塞の大手術を受け、油彩画を制作する体力を失う。回復を待つベッドで彼にできたことは、グァッシュ絵具を均一に塗った紙をはさみで切り取り、平面上に構成する「切り絵」であった。しかしながらこれは作家晩年の手すさびではなく、それまでマティスが追い求めてきた色彩と線の調和を完成させる最終段階といえるものであった。彼は「線」を意識することなく、はさみによって、色彩の中でドローイングを行うことができたのである。 《ジャズ》はそのようにして作られた切り絵のイメージを版画に起こした作品である。切り絵の特質である、それぞれの色面の明確な輪郭を印刷することは困難を極めたが、版元のテリアド社は伝統的な技法であるステンシル・プリントを採用することでマティスを満足させた。当時ステンシルはカラー・リトグラフの台頭によって不経済で時代遅れの技法とみなされていたのである。 「ジャズ」とはもちろんアメリカから輸入された軽音楽のこと。燃え立つように鮮やかな色彩のモティーフがリズミカルに配された画面は、マティスによるジャズの視覚化である。今回は全20点のうちから色彩のひときわ鮮やかな作品8点を展示している。
KoMPal会員(年会費5,000円)、年間観覧券所持者(2,500円)は、無料でご覧いただけます。













