花・人・土佐であい博参加事業
マルク・シャガール展
祝祭のとき
Festival Days

後期:9月9日(火)〜11月16日(日)


今回は燃え上がる魂の祝祭を思わせるシャガールの作品をピックアップします。折々に描かれた祝祭のイメージは、喜びと悲しみに彩られたシャガールの人生のハイライトとして、とりわけ美しい版画作品に結実しています。
後期はシャガールの代表的な版画集として名高い《サーカス》全38点を一挙に公開します。シャガールにとって、サーカスに登場するピエロや軽業師は、聖書に記された預言者や英雄と同等の、偉大な存在でした。笑いを振りまきながら理想を追い求める彼らは、現実に振り回される人類の象徴として描かれます。シャガールのいう逆説は、祝祭としてのサーカスを端的に表しています「・・・サーカスはもっとも悲しいドラマのように思える・・・」。《ダフニスとクロエ》と並ぶ、カラーリトグラフの頂点を成すシャガールの傑作《サーカス》をご堪能ください。


作品名 制作年 技法 寸法
1 村の祭り 1908 カンヴァスに油彩 68.0×95.0
2 空を駆けるロバ 1910 55.0×46.4
3 路上の花束 1935 90.2×116.7
4 花嫁の花束 1934-46 81.5×65.5
5 オルジュヴァルの夜 1949 106.0×64.8

作 品 名 制作年 技法 寸法(cm)
1 口絵 1967 リトグラフ 42.3×32.2
2 自転車乗りたち 42.1×32.6
3 無題 42.4×32.1
4 緑の馬の上の女曲馬師 42.6×32.3
5 無題 42.4×32.2
6 赤い服の女曲馬師 42.5×32.5
7 無題 42.5×32.6
8 恋人たち 42.5×32.7
9 無題 42.4×32.7
10 大きな道化師 42.4×32.6
11 無題 42.4×32.6
12 黄色の道化師 42.5×32.4
13 無題 42.4×32.4
14 空中のブランコ乗りと曲芸師たち 42.6×32.3
15 無題 42.5×32.7
16 リング 42.4×32.4
17 猛獣たち 42.3×64.8
18 猛獣使い 42.5×32.5
19 馬たち 42.5×64.6
20 オーギュスト 42.3×32.5
21 無題 42.4×32.7
22 白い服の女曲芸師 42.4×32.6
23 無題 42.5×32.6
24 黄色のリング 42.6×37.5
25 無題 42.4×32.5
26 無題 42.5×32.6
27 無題 42.5×32.5
28 青い女曲芸師 42.4×32.4
29 無題 42.4×32.7
30 扇を持つ女曲芸師 42.6×32.4
31 サーカス 42.2×64.8
32 花束を持つ娘 42.5×32.5
33 無題 42.4×32.4
34 軽業師たち 42.3×32.7
35 無題 42.3×32.4
36 空中ブランコ乗り 42.5×32.4
37 無題 42.4×32.6
38 演奏する道化師 42.1×32.5


マルク・シャガール Marc Chagall (1887-1985)

 ロシア、現在のベラルーシ共和国にある寒村ヴィテブスクの貧しいユダヤ人の家庭に生まれ、帝都ペテルブルグの美術学校で学ぶ。1910年から14年までパリに住み、詩人サンドラール、アポリネールらと親交を結ぶ。キュビスムの空間的効果、ドローネーらの鮮烈な色彩表現に影響を受けたが、子供の頃の記憶からイメージを引き出し、詩的で豊穣な、シャガールならではの幻想的な様式を展開。1914年、ベルリンの表現主義の牙城シュトゥルム画廊で個展を開催、その後も同画廊と関係を保ち、ドイツ表現主義の運動に影響を与える。二度にわたる世界大戦の戦火や、ヨーロッパ中を踏みにじったナチ政権によるユダヤ民族迫害、アメリカへの亡命、制作の霊感の源であった愛妻ベラの死去など、さまざまな苦難を乗り越えて画業を深め、世界中の人々に愛と希望を与え続けた。1950年から南仏のヴァンスに定住し、晩年にいたるまで旺盛な制作意欲を発揮したが、1985年に惜しまれつつ逝去。享年97歳。


版画集《サーカス》Le Cirque
1967年出版
エディション126/250

カラーリトグラフが23点、モノクロリトグラフが15点、そしてシャガール自身のテキストによって構成されている。作品に付されたテキストによれば、サーカスが繰り広げる不思議な光景は、日常を離れ、別の世界へと導く魔法の様なものとのこと。道化師はまるでドン・キホーテのような悲しさがあるともいう。サーカスをテーマにした版画集はもともと画商ヴォラールに依頼されていたもので、ヴォラールはシャガールのために毎週サーカスの席を予約したという。しかし同じ時期に版画集《聖書》の制作に没頭していたため、ヴォラールの存命中は本格的にサーカスに取り組めませんでした。1967年、編集者テリアードによりようやく出版されたこの作品は、サーカスの幻想的な世界を見事に表現した、《ダフニスとクロエ》と並ぶカラーリトグラフの頂点を成すものといる。