高知県立美術館は、独自の観点から高知県の美術の状況を認識し、また新たに構築していく目的から自主企画展自主企画展「TOSA-TOSA」シリーズを順次開催することとなりました。その第1回目の企画展として、「クールの時代 美術のノイズ・ミュージック」展を開催いたします。
この展覧会は、美術表現における平面、立体、素材等の枠組みを超えた作品が、展示されるその場所と混血し、また様々な作品が併置されるその状況のノイズ・ミュージックのような不協和音から、新たな美術館と作品の関係を模索しようとする試みです。これまで空間等の制約が大きかった県内の立体造形作家等の方々に存分に美術館施設を使用していただくことにより、美術館と作品の関係の在り方や、空間をも取り込んでいく作品の面白さを追及したいと考えています。単に価値の定まった作品を展示するだけではなく、状況そのものを創り出していこうとする美術館の姿勢の提示として、本展覧会は重要な意義を持っており、新しい高知の美術状況を構築することにより、県民の文化向上に資することを目的とします。
会 期 1995年 2月16日[木]〜 3月19日[日] 午前9:00−午後5:00(入場は4:30まで) 休館日2月20・27日(月)、3月7日(火)、13日(月)
観覧料:一般600円(500円)・高大生400円(300円)・小中生200円(100円)*( )内は一般前売券及び20名以上の団体料金。 長寿者手帳(高知県)所持者、身体障害者(1・2級)手帳及び療育手帳所持者とその介護者(1名)は無料
主催:高知県立美術館・高知新聞社
後援:RKC高知放送・KUTVテレビ高知・NHK高知放送局・FM高知
高知県立美術館プロデュース映像作品、クールの時代展出品 「HEAVEN-6-BOX/天国の六つの箱」 監督:大木裕之(映像作家)
1995年2月18日(土)・3月5日(日)午後2時より上映
§ 門田 修充 KADOTA,Osamitu1945年生 野市町在住
木の棒を幾重にも組み上げ、人力により稼働する 有機的な“機械”を作り上げる作家。それは寺山 修司が自らの欲求の充足のために作ったいう“純 粋機械”を彷彿とさせるが、門田は観客がそれに 触れることにより始めて生命が吹き込まれるとい う、人と作品の統合を意識しているように思える。 作品「王と女王のごっこの聖戦(そしてどこへ行く・・・)」
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§ 狩野 信児 KARINO,Shinji1944年生 高知市在住
DNAのような螺旋状の彫刻“スパイラル”で知 られる。どっしりとしたボリュームの彫刻作品を 多く制作している。彼の彫刻は曲線とねじれがう なりをあげており、形態のダイナミズムが感じら れる。今回、美術館の外庭を場所として、狩野の インスタレーションが繰り広げられる。迫力のあ る空間がつくりあげられるであろう。 作品「宇宙のレストラン」
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§ 西 悟 SEIGO1955年生 高知市在住
紙を素材とした一連の作品で知られる。彼は作品 に内在する時間を追及する。厚く塗り重ねられる 作品の表情に火をかけ、穴をあける行為は、画面 の上に時間の軌跡を残す作業にほかならない。そ してその時間は、作品が持つ固有の物語へと昇華 し、人類太古の記憶を蘇らせる力となる。西悟の 試みは平面に大きな問題を投げかけていると言えよう。 作品「NEO PRESAGE」 他
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§ 高崎 元尚 TAKASAKI,Motonao1923年生 高知市在住
初期の「装置」から始まり、「破壊」に至る高崎 の歴史には、一貫して物質存在に対する疑問が見 受けられる。物の破壊には、形態の変化が伴う。 コンクリートブロックを破壊した作品は、暴力と カタルシスが同居した形態の変容が如実に感じら れる。本展覧会ではそうした高崎の破壊の本領が 発揮されることであろう。 作品「COLLAPSE」
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§ 玉造 義隆 TAMATSUKURI,Yoshitaka1946年生 南国市在住
強烈な色彩と激しい筆致、幾重にも重ねられたレ リーフの集合体は力にみなぎっている。この力こ そ玉造の身上である。それぞれのレリーフが、あ たかも合体ロボットのように組み合い、存在を主 張している。立体、平面の枠を超えた、作家の作 品制作には、絵画の進化の可能性がうかがえる。 作品「LANDSCAPE 95」
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§ 辻野 栄一 TUJINO,Eiichi1960年生 野市町在住
湾曲した木々の林立、痛いほどに石が組み込まれ たサボテンのような木の柱。辻野はドラマティッ クとも言える展示空間を創出してきた。鉄の風化 による錆びを巧みに作品に取り込んだ作品から、 木と石による今日の作品までの変遷には、彼の物 と芸術の関係探求のあくなき実験が伺える。今回、 木々の林立のインスタレーションを発表する。 作品「棘の回廊 95」
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§ 都築 房子 TUZUKI,Fusako1949年生 南国市在住
恐竜、木の葉、人間等、都築は木々を変幻自在に あやつってこれらオブジェを制作してきた。形の 再現といえば前近代的な美術の発想と捉らえられ るかもしれないが、都築の具象性には形態の再現 を超えたファンタジーが感じられる。生命に対す る愛とでも言おうか、または彼女自身の生命の創 出という母性本能によるものであろうか。 作品「Not here, but somewhere Not now, but sometime」
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§ 藤崎 幸雄 FUJISAKI,Yukio1955年生 南国市在住
藤崎は木の外周を線のように残しながらチェーン ソーで作品を削り出す。一本の木から仏像を彫り 抜く仏彫師さながらに、彼は木の形を活かしなが ら彼の表現を混入していく。彼は木の香気までも 作品とする。そこには木の存在と藤崎の意志とが 格闘しながら調和している様子が見える。彼の意 識と木の結び付きが新たな形態を生み出すのである。 作品「杳容 」 他
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§ 青木 野枝 AOKI,Noe1958年生 東京都在住
鉄の作家である。細い鉄棒を幾重に溶接し、禁欲 的な作品を制作する。多くのそれは連作であり、 形の反復する展示空間をつくりあげる。青木は今 までに自分が見たことのないような、予想すらで きないような形を作り続けたいという。それは自 己に対する厳格なまでの柔順であり、啓発でもある。 作品「Untitled」
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§ 岡本 敦生 OKAMOTO,Atsuo1951年生 広島県在住
石が持つ神秘性、霊力については古代より語られ ることが多かったが、岡本はその石の持つ力を熟 知し、作品化しているようである。石の棺桶や方 舟など不思議と宗教性を感じさせる作品を制作し てきたが、近年石そのものの存在感に重点を置い た方向に向かいつつある。巨大な石の作品は見る ものの心を掴んで離さないであろう。 作品「地殻より−シルリアの海3」
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