「HEAVEN-6-BOX 天国の六つの箱」は1994年の9月・10月・11月の3カ月に渡り、高知県内各所での出来事や人々の表情、風景のうつろいを追い求め、そしてカメラに収めた作品である。この3カ月の時間は六つの“箱”に分けられており、それぞれの“箱”が独立した内容で構成されている。大木裕之にとって特別の場所であるJR旭駅前広場に佇み、瞑想する橋本大二郎。破壊パフォーマンスを繰り広げる芸術家や、あてどもなく街を彷徨する青年。そして刻々と表情を変える陽のひかり。全編に流れるアンビエント・ノイズ・サウンド。スナップのように映しだされる映像と時間軸が見事に交錯し、色彩、空気、感性がノイジーに光り輝くこの作品は、大木裕之が観るものに放射するヒーリング・ムーヴィーとも言える魅力を持ちえている。
1964年東京生まれ。1988年東京大学工学部建築学科卒業。在学中より製作を始める。1989年イメージフォーラム付属映像研究所卒業。卒業展にて3時間の長編「松前君の映画」(1989)を発表。「遊泳禁止」(1990)がイメージフォーラム・フェスティバル1990年度審査員特別賞受賞。フランスの映画批評家ドミニク・ノゲースに“ランボーの末裔”と絶賛される。1991年4月から高知市JR旭駅前に移り住む。山形国際ドキュメンタリー映画祭で6作品の特集上映が行われる。ベルリン・キノ・アルゼナールで3作品が招待上映される。イギリスの批評家トニー・レインズの推薦により、バンクーバー国際映画祭で2プログラム、4作品の特集上映が行われる。日本のニュー・クィーアシネマの映像作家として国際的に大きな注目を浴び、以降、ニューヨーク・レズビアン&ゲイ実験映画祭、マドリード美術館、北海道立近代美術館、高知県立美術館、サンフランシスコ・アート・インスティテュート、ロッテルダム国際映画祭、他で短長編映画の招待、特集上映が多数行われる。1992年ドイツ人プロデューサー、ユルゲン・ブリューニンクの製作による「ターチ・トリップ」を製作。1994年には初の劇場公開映画「あなたがすきです、だいすきです」が完成。1994年イタリアのタオルミナ国際映画祭に現代日本を代表する映画監督の一人として招待される。同年9月より「HEAVEN-6-BOX 天国の六つの箱」撮影開始。1995年2月に同作品を高知県立美術館企画展「クールの時代 美術のノイズ・ミュージック」展に出品する。
出演 ■ 清岡恭久 │ 谷本健一 │ 中土佐町
佐藤 篤 │ 川内啓之 │ 杉本家
松本教仁 │ 浅川貴史 │ 清岡家
│ 青木端江 │ 山岡さん
小笠原まき │ 中村恭子 │
野町佳代 │ 江川誌麻 │ 高知市立三里中学校音楽部
堀内理香 │ 川崎康為 │ 高知県立安芸高等学校
徳弘有希 │ │
浜崎志保 │ 片岡雅文 │ BE−ROCK
│ 内川雅彦 │
田岡浩明 │ │ 都築憲司
溝渕貴彦 │ 谷本 信 │ 都築房子
堀野英二 │ 元吉喜志男 │ 中津 徹
西村ともひで │ │ 中津美枝子
公文 幹 │ 大崎 純 │
│ 大崎 弟 │ 高崎元尚
│ │ 高崎佳恵
│ 鍵岡正謹 │
│ │ 橋本大二郎(高知県知事)
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製作 ■ 高知県・高知県立美術館
企画 ■ 松本教仁(高知県立美術館学芸員)
監督・撮影・編集 ■ 大木裕之
音楽 ■ 佐藤 篤