開館10周年記念特別対談
−19世紀後半の日本と西洋の絵画−

11月2日から美術館では開館10周年記念展として、幕末から明治期にかけて活躍した絵師、河田小龍を紹介する展覧会を開催いたします。彼が活躍した時代は、この日本の中ではいわゆる幕末維新期といわれる激動の時代です。一方、19世紀後半のこの時期は、日本だけでなく、世界中が変動していた時でもあり、産業革命や市民革命、植民地戦争・・・世界レベルで価値観が揺り動かされていた時代でもありました。芸術の世界でも新しい動きが起こり、写実派や印象派が生まれたのも、ちょうどこの時です。そうしたことから、この時期が近代美術の幕開けといわれています。そして、日本もまた、開国により西洋の美術や文化に触れ、新しい絵画や芸術文化が生まれました。
近代美術の始まり、ともいえる19世紀後半の美術について、日本美術及び西洋美術、それぞれの第一人者をお招きして、お話しいただきます。

平成15年11月29日(土)
高知県立美術館ホール

開場/ 午後2時30分
開演/ 午後3時(午後5時終了予定)
聴講料/ 無料(先着399名)
主催/ 高知県立美術館
お問い合わせ/ 高知県立美術館 088-866-8000


高階秀爾(たかしな しゅうじ)

1932年東京に生れる。東京大学大学院在学中にフランス政府招聘給費留学生として渡仏し、パリ大学付属美術研究所及びルーブル学院で西洋近代美術史を専攻。1959年国立西洋美術館に勤務する。1971年東京大学文学部助教授、1979年に教授になる。1992年から2000年まで国立西洋美術館館長をつとめる。2002年より倉敷市の大原美術館館長。ルネサンス美術から現代美術まで、また西洋美術に限らず日本美術についても論じ、古今東西の美術に関する著作物も数多い。

対談

辻惟雄(つじ のぶお)

1932年名古屋に生れる。東京大学文学部美学美術史学科卒業。東北大学、東京大学、多摩美術大学で日本美術史を教える。1995年から1999年まで千葉市美術館館長、1999年から2003年まで多摩美術大学学長をつとめる。日本近世絵画史を専攻するが、日本美術の伝統を、より生き生きとしたイメージに活性化することを念願し、岩佐又兵衛、伊藤若沖、曽我斎白ら、江戸時代の「奇想の系譜」の掘り起こしや、日本美術における「かざり」「遊び」「アニミズム」などの性格に照明をあてる。「絵金」もまた興味の対象のひとつである。